ローズヒップとは?成分や効果・安全性について解説

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ローズヒップとは、バラの果実で、ビタミンCやカロテノイドなどの栄養素が豊富です。美容や健康を保つ効果が期待されることから食品や化粧品の原料として広く利用されています。

ローズヒップ由来の成分には体脂肪を減らす効果が確認されていることをご存じでしょうか?この記事では、ローズヒップに含まれる成分や効果を中心に解説します。

ローズヒップとは

ローズヒップとは、バラの果実のことです。バラ科バラ属の植物の花が咲いた後に結実し、秋に収穫期を迎えます。

ローズヒップの実は食用に供され、ほどよい酸味とフルーティーな甘みのある味、そしてさわやかな香りが特徴です。そのまま食べることもできますが、基本的には乾燥させてお茶(ローズヒップティー)として飲まれるほか、ジャムやジュース、健康食品としても広く活用されています。

また、種を圧搾して油を採り出した「ローズヒップオイル」も美容や保湿の目的でよく利用され、さらに香りの良さからアロマオイルとして活用されることもあります。
栽培場所は主に温帯から冷帯にかけての地域で、南米チリを中心にヨーロッパや北アメリカ、アジアなどでも栽培されています。

なお、ここでの「ヒップ」(hip)とは「お尻」や「腰」という意味ではなく、「バラの実」という意味です。

ローズヒップとバラの違い

ローズヒップはバラそのものを指すのではなく、前述のとおりバラの花が咲いた後になる果実のことを指します。赤、オレンジ、または濃い紫色の小さな球形(もしくは涙型)の果実であり、通常はバラの花が咲く低木に生育します。

ローズヒップが実るバラ

ローズヒップの果実はすべてのバラに実るわけではなく、特定のバラの原種に実ります。ローズヒップが実る代表的な種は「ドッグローズ(イヌバラ)」です。

ドッグローズはヨーロッパが原産であり、16世紀から17世紀ごろの大航海時代にヨーロッパから南米へもたらされ、アンデス山脈で野生化しました。高さは2~4mほどの低木で、白やピンク色の5㎝ほどの花を咲かせた後に緑色の果実が赤く熟していきます。

また、日本に自生する品種としては「ロサ・ルゴーサ」(ハマナス)があります。成木の高さは1~1.5mほどと小さめですが、花は赤紫や白色で直径6~10cmとドッグローズに比べ大きく、秋に赤い果実を実らせます。

森下仁丹がいち早く着目|ローズヒップエキスの独自機能

森下仁丹では、社会問題化しつつあった「生活習慣病」(糖尿病、高血圧症、肥満、高脂血症など)の解決のため、当社が長年培ってきた植物由来成分の研究ノウハウを生かせないかと研究を進め、世界中から健康に役立つ素材を探索していました。

そこで数多くの植物からエキスを抽出し、脂肪代謝促進作用を確認したところ、ローズヒップにその作用が認められ、さらに研究を進めたところ、その成分がティリロサイドであることを発見しました。

なお、ローズヒップを研究素材の1つとして選定した時点では、ローズヒップに脂肪の代謝を促進するティリロサイドが含まれていることも、ティリロサイドに脂肪の代謝を促進する機能があることも知られておらず、森下仁丹の研究によってはじめて発見されました。

ティリロサイドについては下記記事でも解説しております。ぜひご覧ください。
▶体脂肪低減に役立つ成分とは?注目成分をご紹介

ローズヒップの主要成分

ローズヒップに含まれる主要成分はティリロサイドです。

ティリロサイド

ティリロサイドは、ローズヒップ種子に含まれるポリフェノール(植物に含まれる苦みや色素の成分)の一種です。ティリロサイドを食品から摂ることで、肝臓や筋肉で行われる脂肪の代謝を促進する効果があります。水溶性で摂取しやすいことも特徴です。

前述の通り、森下仁丹ではローズヒップ由来ティリロサイドにいち早く着目し、体脂肪を減らす機能があることを実験によって実証しています。

ティリロサイドについては下記記事でも解説しております。ぜひご覧ください。
▶体脂肪低減に役立つ成分とは?注目成分をご紹介

ローズヒップの効果

ローズヒップにはビタミンCやβカロチン(ビタミンA)をはじめ多くのビタミンが含まれさまざまな効果をもたらしますが、中でもティリロサイドによる体脂肪の減少を促進する効果が注目されています。

体脂肪を減らす効果

ローズヒップ由来ティリロサイドは、脂肪組織から血液中に放出された脂肪酸の代謝を促す酵素を増やし、脂肪酸をミトコンドリアに運びやすくします。これによって大量の脂肪酸がエネルギーとして消費されやすくなり、体脂肪が減少すると考えられています。

森下仁丹では、ローズヒップ由来ティリロサイドによる体脂肪の低減を実証するヒトでの試験を実施しました。
BMIが25以上30未満の健康な成人男女32名を、ローズヒップ由来ティリロサイドを含む食品と含まない食品をそれぞれ摂取するグループに分け、12週間にわたり毎日摂取を続けました。その後、体重・BMI・腹部CTスキャンによる内臓脂肪及び皮下脂肪の面積を測定し、スタート時と比較したところ、ローズヒップ由来ティリロサイドを含む食品を摂取したグループは、含まない食品を摂取したグループに比べ、おなかまわりの総脂肪面積の平均値が有意に減少したことがわかりました。

このことから、ローズヒップ由来ティリロサイドを含む食品には、体脂肪を減らす機能があることが確認されました。なお、この実験では内臓脂肪だけでなく、簡単には落としにくい皮下脂肪の減少にも効果があることがわかっています。

ティリロサイドをはじめとする脂肪燃焼に役立つ成分についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
▶体脂肪低減に役立つ成分とは?注目成分をご紹介

ローズヒップの安全性

ご紹介してきたように、ローズヒップには体脂肪燃焼を促進するなどうれしい効果がありますが、大量に摂取しても問題ないのでしょうか。

結論から言えば、ローズヒップは1日の摂取量の上限が定められているわけではなく、常識の範囲内であれば毎日摂取しても問題はありません。

実際に、目安となる摂取量(ティリロサイド0.1mgを含むローズヒップエキス100mg)の5倍の量を摂取しても健康被害が生じないことが確認されています。

出典:Jpn Pharmacol Ther 2020:48:203-14

ローズヒップポリフェノールの商品開発をご検討されている方へ

この記事では、ローズヒップに含まれるポリフェノールの一種であるティリロサイドの効果を中心に解説しました。

森下仁丹では、体脂肪を減らす機能を自社製品にプラスできる機能性原料「「ローズヒップポリフェノールMJ」をご提供しています。苦みや渋みが少なく色素も気にならないため商品の味や見た目に影響を与えにくく、水溶性の粉末エキスのため飲料やゼリー、サプリメントなどさまざまな商品に応用でき、少量でも有効性を発揮する点が特長です。

下記の資料では、ローズヒップポリフェノールの特長や製品規格等について解説していますので、脂肪燃焼に寄与する成分であるティリロサイドを活用した商品開発を検討されている方はぜひご覧ください。

お役立ち資料
「ローズヒップポリフェノールMJ」を活用した
機能性表示食品開発のご提案
昨今、リモートワーク推進による在宅業務によって、健康意識と体脂肪低減に対する消費者の課題意識が芽生えており、実際に体脂肪低減を訴求する機能性表示食品のニーズが増え、多くの開発が行われています。そこで、本書では体脂肪を低減する機能性関与成分として、注目を集める「ローズヒップ由来ティリロサイド」の詳細や、森下仁丹が提供する独自素材「ローズヒップポリフェノールMJ」の商品化のポイントや顧客ターゲットをご紹介します。
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