ティリロサイドとは?効果や安全性・摂取量を解説

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ティリロサイドとはローズヒップ由来の脂肪の代謝を促進する成分です。ローズヒップ由来のティリロサイドはどのような成分であり、どのくらいの体脂肪燃焼効果があるのでしょうか?

また安全性に問題はないのでしょうか?本記事では、実際に行った実験の結果に基づいて、ティリロサイドの効果や安全性などについて解説します。

ティリロサイドとは

ティリロサイドとは、さまざまな植物に含まれているポリフェノール(植物に含まれる苦みや色素の成分)の一種です。ヨーロッパや北アフリカを原産として、南米チリなどで広く栽培されているローズヒップから抽出されます。後述のように、ティリロサイドには体脂肪の燃焼を促進する効果があります。

ローズヒップとは

ローズヒップはバラの花が咲いた後になる果実のことであり、赤、オレンジ、または濃い紫色の小さな球形(もしくは涙型)をしています。古くから食用として利用されており、ほどよい酸味とフルーティーな甘みのある味、そしてさわやかな香りが特徴です。

そのまま食べることもできますが、一般的には乾燥させた果実に熱湯を注いだ「ローズヒップティー」として飲まれることが多く、そのほかにもジャムやジュース、健康食品等に加工されることが多くあります。

また、ローズヒップの種を圧搾して抽出した「ローズヒップオイル」も有名であり、美容や保湿のために広く利用されているほか、香りの良さを活かしてアロマオイルとして使用されることもあります。

ローズヒップはすべてのバラに実るのではなく、「ドッグローズ(イヌバラ)」や「ハマナス」といった特定の種に実ります。ドッグローズはヨーロッパを原産地とする種であり、高さ2~4mほどの低木で、一重咲きで5cmほどの白やピンク色の花を咲かせた後、果実が実ります。ハマナスは日本にも自生するバラ種バラ属の低木で、赤紫や白い花を咲かせた後、秋に赤い果実を実らせます。

栄養面では「ビタミンCの爆弾」と呼ばれるほどビタミンCが豊富で、そのほかカロテノイドやビタミンB群、ビタミンE、ミネラル類などを多く含んでいます。ビタミンCには強い抗酸化作用があり、免疫機能を高めるほか、コラーゲンの生成を助けるなど美肌効果も期待できます。また、カロテノイドの一種であるβカロテンはビタミンAに変換され、視力の維持や皮膚・粘膜の健康維持などに役立ちます。

ローズヒップの特徴や含まれる成分などについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
▶ローズヒップとは?成分や効果・安全性について解説

ローズヒップ由来ティリロサイドの効果とは

以下では、ローズヒップに含まれるポリフェノールの一種である「ティロリサイド」の効果についてご紹介します。

体脂肪を減らす機能があることが報告されている

森下仁丹では、生活習慣病の解決を目指し世界中から健康に役立つ素材を探索する中でローズヒップに着目し、脂肪代謝促進作用について研究を進めていった結果、ローズヒップに含まれるティリロサイドにその効果があることを発見しました。

脂肪がエネルギーに変換されるためには、脂肪組織から血液中に脂肪酸が放出された後、脂質からエネルギーを生み出すミトコンドリアを通して消費される必要があります。ティリロサイドは、この脂肪酸の代謝を促す酵素を増やし、脂肪酸をミトコンドリアに運びやすくする機能があり、それにより大量の脂肪酸がエネルギーとして消費されやすくなり、体脂肪が減少すると考えられています。

森下仁丹では、ローズヒップ由来ティリロサイドを食品から摂取することでおなかまわりの脂肪(皮下脂肪、内臓脂肪)が減少することを確認するために、以下の実験(ヒト試験)を実施し効果を実証しました。

この実験では、BMIが25以上30未満の健康な成人男女32名(男性16名、女性16名)を2つのグループに分け、1つのグループはローズヒップ由来ティリロサイドを含む食品を、もう1つのグループでは含まない食品をそれぞれ12週間毎日摂取しました。その後に、体重・BMI・腹部CTスキャンによる内臓脂肪及び皮下脂肪の面積を測定し、スタート時と比較しました。

その結果、ローズヒップ由来ティリロサイドを含む食品を摂取したグループは、含まない食品を摂取したグループに比べ、おなかまわりの総脂肪面積の平均値が有意に減少したことがわかりました。このことから、ローズヒップ由来ティリロサイドを含む食品には、体脂肪を減らす機能があることが確認されました。
なお、おなかまわりの総脂肪には、内臓脂肪だけでなく落としにくいとされる皮下脂肪も含まれており、皮下脂肪、内臓脂肪ともに減少する効果があることが認められています。

ローズヒップ由来ティリロサイドの安全性

脂肪燃焼を促進する効果があるローズヒップ由来ティリロサイドですが、安全性に問題はないのでしょうか。結論としては、ティリロサイドの安全性は十分に確認されており、毎日摂取しても問題はありません。

実際に、目安となる摂取量(ティリロサイド0.1mgを含むローズヒップエキス100mg)の5倍の量を摂取しても健康被害が生じないことが確認されています。

出典:Jpn Pharmacol Ther 2020:48:203-14

ローズヒップ由来ティリロサイドの摂取量

ローズヒップ由来ティリロサイドに摂取量の上限は特に規定されていませんが、目安としては1日あたり0.1mgとされています。

なお、上記実験ではローズヒップエキス100mg(ティリロサイド0.1mgを含む)含有食品を12週間毎日摂取したところ、腹部の全脂肪面積が平均18.5cm²減少(うち、腹部皮下脂肪面積は平均9.2cm²、腹部内臓脂肪面積は平均9.3cm²減少)しており、この摂取量で十分に効果が期待できることがわかります。

森下仁丹が提供するローズヒップポリフェノールMJ

森下仁丹では、ご紹介したような体脂肪を減少させる機能を持つティリロサイドを含んだ機能性原料「ローズヒップポリフェノールMJ」をご提供しています。ローズヒップの種子を含む果実まるごとから抽出したティリロサイドにより、体脂肪を減らす機能を自社製品にプラスできます。

商品化しやすい特長

ローズヒップポリフェノールMJには以下の特長があります。

・味や見た目に影響を与えにくい
植物エキス特有の苦みや渋みが少なく、色素も気にならないため、商品の味や見た目に影響を与えにくい特長があります。

・さまざまな商品に応用しやすい
水溶性の粉末エキスであり、飲料やゼリー、サプリメント、調味料などさまざまな商品に応用可能です。

・少量で有効性を発揮
ティリロサイド換算で0.1mgと、少量で有効性を発揮するため、複数の機能性関与成分を含んだ商品を開発できます。

機能性表示食品としての商品開発や売り方のサポートも可能

原料供給だけでなく、機能性表示食品としての開発サポートや商品開発、お客様に選ばれるための売り方のサポートも可能です。

たとえば、機能性表示食品は多くの手順を踏んで届出をしなくてはなりませんが、機能性表示食品の制度づくりの中心メンバーならではの視点から徹底的にサポートいたします。また、使い方の提案や原料の啓蒙活動を通じてお客様に選んでいただけるようなお手伝いをすることも可能です。

下記の資料では、ローズヒップポリフェノールの特長や製品規格等について解説していますので、脂肪燃焼に寄与する成分であるティリロサイドを活用した商品開発を検討されている方はぜひご覧ください。

▶【技術資料】ローズヒップポリフェノールMJ

技術資料
ローズヒップポリフェノールMJ
ローズヒップポリフェノールMJ
体脂肪を減らす機能を自社製品にプラスできる 森下仁丹の機能性原料「ローズヒップポリフェノールMJ」の技術資料です。
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