糖の吸収を抑える成分とは？

糖の吸収量が急激である場合、血糖値が短時間で大きく上昇します。これにより、インスリンの過剰分泌が起こり、余分な糖が脂肪に変換されることで健康リスク が高まります。
また、血糖値が繰り返し急上昇すると、インスリンの働きが鈍り、インスリン抵抗性が生じることでも健康リスクを高めてしまいます。 こうしたリスクを抑えるためには、糖の吸収量を低下させ、血糖値の急激な上昇を防ぐことが重要です。

本章では、糖の吸収量を低下させる代表的な作用を挙げ、該当する成分とそのメカニズムについて解説します。

■サラシア由来サラシノール
サラシア由来サラシノールは、インドや東南アジアの熱帯雨林地域に自生するツル性植物「サラシア」の幹から得られるエキス由来の成分です。

炭水化物を摂取すると、唾液などに含まれる消化酵素によって二糖類まで分解され、さらに小腸上皮にある酵素「α-グルコシダーゼ」によって単糖に分解されて吸収されます。サラシア由来サラシノールは、このα-グルコシダーゼの活性を阻害することで、吸収されるブドウ糖の量を減らします。

■桑の葉由来イミノシュガー
桑の葉由来イミノシュガーに含まれる１-デオキシノジリマイシン（1-DNJ）などの成分は、桑の若葉に多く存在し、α-グルコシダーゼの阻害作用を示すことで単糖であるブドウ糖への分解を抑制し、吸収されるブドウ糖の量を減らします。

■バナバ葉由来コロソリン酸
バナバは、インドや東南アジアなどに自生する落葉高木であり、その葉（バナバ葉）はタンニン、グルコース、配糖体を主成分としています。この中に、インスリンに似た働きをもつコロソリン酸という物質が含まれており、細胞への糖の吸収を促す部分に働きかけ、血糖値を低下させる機能が報告されています。
インスリンと同様にグルコースの輸送体を細胞の表面に提示し、グルコースの取り込み量を増加させることを1つのメカニズムとして血中のグルコース濃度を低下させます。

バナバ葉由来コロソリン酸を1日0.9mg、12週間摂取することにより、空腹時の血糖値がプラセボ摂取群に比べて有意に低下したという報告があります。（Food Funct . 2014 Jul 25;5(7):1621-30）

■アルロース（プシコース）
アルロース（プシコース）は、自然界に微量しか存在しない希少糖の一種です。
同じ単糖である果糖やブドウ糖と構造が似ており、甘みを感じるものの（砂糖の約70%の甘み）、消化・吸収されず体外に排泄される性質があります。また、でんぷんの分解を抑制する作用を持っており、単糖にまで分解されないものが増え、結果的に小腸で吸収されず通過・排泄される量が増えます。

血糖値改善のためには、生活習慣を整えたり、適度な運動を行ったりすることが重要です。
生活習慣の改善としては、糖質の多い食事を摂り過ぎないことや、食物繊維を豊富に含む野菜やきのこ類などを意識的に食べることなど、食習慣の改善が大切です。
ストレスを受けると血糖値を上げる作用を持つグルカゴンやアドレナリンなどのホルモンが分泌されるため、なるべくストレスを溜めないように心掛ける必要もあります。
また、運動をすると摂取した糖が筋肉に取り込まれエネルギー源として消費されるため、糖の代謝を高め、血糖値の上昇を抑える効果があります。

しかし、生活習慣の改善や適度な運動に取り組むことが難しい場合もあるかもしれません。そのような場合には、前章でご紹介したような素材を配合した特定保健用食品や機能性表示食品などの保健機能食品を摂取することで、血糖値ケアに役立てることができます。

森下仁丹では、α-グルコシダーゼ阻害作用を示すサラシア由来サラシノールを含有するサラシアエキスMJの原料供給を行っています。サラシアエキスMJは単回摂取で効果を示し、少量で有効性を発揮するため自由度の高い商品設計が可能です。

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