血糖値ケアの重要性について解説。
代表的な糖の吸収抑制メカニズムをご紹介

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血糖値が急激に上昇すると、血糖値を下げるために大量のインスリンが分泌され、ブドウ糖が脂肪に変わりやすい状態となり、脂肪をため込みやすくなってしまいます。
本記事では、血糖値上昇抑制に役立つ機能性表示食品の開発をご検討されているご担当者様へ、血糖値ケアの重要性について解説し、血糖値上昇抑制に役立つ成分をご紹介します。

血糖値ケアの重要性

健康的な生活を送るためには、バランスの良い食生活を送ることが重要です。
特に、三大栄養素であるたんぱく質、脂質、炭水化物は適量をバランスよく摂取することが必要です。
このうち、炭水化物は主に白米やパン、麺類などの主食に含まれており、分解されてブドウ糖となります。生命活動のエネルギー源となるため、最も重要な栄養素の一つです。

このように、人間が生きるうえで重要なはずの炭水化物ですが、過食により摂取量が過度に多い場合や、運動不足によってエネルギーの消費量が少ない場合は、血糖値が高くなる傾向があるため、適切なケアが必要となります。

本章では、血糖値が高い状態と上昇のパターン、デメリットについてご紹介します。

血糖値が高い状態とは

血糖値とは、体内を流れる血液中のグルコース(ブドウ糖)の濃度のことです。穀類やイモ類、果物などを食べて糖質を摂取すると、最終的に単糖類であるグルコース(ブドウ糖)に分解され、これが血液中に放出されて血糖値が上昇します。
健康な人の場合、通常は食後2時間ほどで血糖値は140㎎/dL未満に低下しますが、血糖値が低下せず、140㎎/dL以上の高い値が続く状態を「食後高血糖」といいます。なお、正常な血糖値の範囲は、空腹時で60~110㎎/dL、食後では100~140mg/dLとされています。

食べ物を摂取した後に血糖値が上がると、インスリンというホルモンが膵臓から分泌されます。インスリンには、肝臓や筋肉などの細胞に糖を取り込むように働きかける役割があり、これにより血糖値が下がる仕組みです。
このとき、インスリンの分泌が足りなかったり、あるいはしっかりと機能しなかったりする場合、血糖値は高い状態のままになります。

血糖値上昇のパターン

食べ物が消化分解されることによって生じるブドウ糖は、主に腸管から吸収されて血液中に入ります。
食後には血液中のブドウ糖が増えるため、血糖値が上昇することとなります。
運動不足になると、運動によって筋肉にブドウ糖を取り込みエネルギーとして消費するプロセスが鈍化するため、血糖値が下がりにくくなります。

また、食べ過ぎたり飲み過ぎたりすると、その分多くの糖質を摂取することになるため、当然血糖値は上がりやすくなります。特に、白米や麺類、甘い物、スナック菓子、清涼飲料水、アルコールなどの摂り過ぎは要注意です。
ストレスを過剰に受ける環境にいることも、交感神経が活発に働き、血糖値を上昇させる作用を持つグルカゴンやアドレナリン、甲状腺ホルモンの分泌が増加する原因となります。副腎皮質から分泌されるコルチゾールも、ストレスに起因して分泌量が増えるホルモンであり、糖新生を促進することで血糖値を上昇させます。

血糖値の変化が大きいことのデメリット

高糖質の食事や大量の食事を摂取すると、血液中のブドウ糖が過剰に増えます。余分なブドウ糖は肝臓に取り込まれますが、あまりにも糖質の摂取量が多く、ブドウ糖が過剰な状態になると肝臓への取り込みが追いつかず、血糖値が非常に高くなります。これが先述した「食後高血糖」の状態です。
肝臓が取り込み切れなかったブドウ糖は中性脂肪に変化し、体内に蓄積されるため、健康リスクにつながります。

血糖値スパイクとは

血糖値スパイクとは、食後の血糖値が急上昇と急降下を起こす状態のことです。肥満や老化などの影響でインスリンを分泌する能力が低下すると、ブドウ糖を細胞内に適切に取り込めなくなり、血糖値が急上昇して血糖値スパイクが起きやすくなります。

血糖値スパイクの状態になると、急上昇した血糖値に対応しようとしてインスリンが過剰に分泌され、一気に低血糖状態になることで眠気やだるさを感じることがあります。

代表的な糖の吸収抑制作用とそのメカニズム

血糖値スパイクを抑えるためには、糖の吸収量を低下させて血糖値の上昇を緩やかにすることが効果的です。そこで以下では、代表的な糖の吸収抑制作用とそのメカニズムをご紹介します。

α-グルコシダーゼの阻害作用

摂取した炭水化物は、唾液などに含まれる消化酵素によって二糖類まで分解され、さらにα-グルコシダーゼという酵素によって単糖(ブドウ糖)に分解されて血管へ吸収されます。
このα-グルコシダーゼの活性を阻害することで、吸収されるブドウ糖の量を減らす方法があります。

インスリン様作用

バナバ葉由来コロソリン酸のようにインスリンに似た働きを持つ物質により、血糖値を下げる作用を示します。具体的には、細胞表面にグルコースの輸送体を提示することで、血中グルコースの取り込み量が増加し、血中のグルコース濃度が低下します。

ブドウ糖の類似構造物質による吸収阻害作用

ブドウ糖や果糖と同じ単糖でありながら、消化・吸収されずに体外に排出される性質を持つものがあります。これをブドウ糖の代替品として使用することで、結果的にブドウ糖の吸収量が減るために食後血糖値の上昇を抑制する作用を示します。

血糖値上昇抑制に役立つ独自成分をお探しの方へ

ご紹介したように、糖の吸収抑制作用にはさまざまなものがありますが、森下仁丹では、α-グルコシダーゼ阻害作用を示すサラシア由来サラシノールを含有するサラシアエキスMJの原料供給を行っています。
サラシアエキスMJは単回摂取で効果を示し、少量で有効性を発揮するため、自由度の高い商品設計が可能です。

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技術資料
サラシアエキスMJ
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糖の吸収を抑える機能を自社製品にプラスできる 森下仁丹の機能性原料「サラシアエキスMJ」の技術資料です。
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